だって、そう決めたのは私
「今もし会えたら……一番、何が言いたい?」
「そうだなぁ。言ってやりたかったことは、沢山あるけどな。一番は、俺のこと忘れてなかったか、だな」
「そっか。いつか、言えるといいね」
「そうだなぁ……言ってみるかぁ。なぁ? 母さん、俺のこと忘れてなかった?」
「……忘れるわけ無いでしょうよ」
ニヤリと嫌らしい顔をして、カナタが私を見る。ぼんやりと、元夫の顔まで浮かんだ。
「え?」
「あ……えぇと、私がこの子の母です」
えぇぇぇぇ、と直くんが素っ頓狂な声を上げた。こう名乗るのが正解なのか分からないけれど、事実、私はカナタの母親である。混乱する直くんに引き攣りながらも笑みを見せ、宏海にヘルプの視線を投げかけた。それを受け止めた夫が頷く。それから、数秒後。あちらからも、大きな驚きの声が上がった。
「そうだなぁ。言ってやりたかったことは、沢山あるけどな。一番は、俺のこと忘れてなかったか、だな」
「そっか。いつか、言えるといいね」
「そうだなぁ……言ってみるかぁ。なぁ? 母さん、俺のこと忘れてなかった?」
「……忘れるわけ無いでしょうよ」
ニヤリと嫌らしい顔をして、カナタが私を見る。ぼんやりと、元夫の顔まで浮かんだ。
「え?」
「あ……えぇと、私がこの子の母です」
えぇぇぇぇ、と直くんが素っ頓狂な声を上げた。こう名乗るのが正解なのか分からないけれど、事実、私はカナタの母親である。混乱する直くんに引き攣りながらも笑みを見せ、宏海にヘルプの視線を投げかけた。それを受け止めた夫が頷く。それから、数秒後。あちらからも、大きな驚きの声が上がった。