極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 美幸は私は何も悪くない。と両手を広げながら高圧的な雰囲気を崩さず語り始める。

「だって私、結婚はしたいけど恋人とは長続きしないの。だからダメだった時のスペアは必要。そうでしょう? それに欲しいものは欲しいの! 男くらい何人いてもいいじゃない!」
「だから玲が欲しくて雪乃さんの変な噂流したんだな?」
「そうよ。それが? ああ、十和って子もそうね。あの子は噂を真に受けて死んじゃったんだっけ。ああ、私は何にも悪くないわよ」
「……っ!」

 玲は拳をわなわなと震わせ始めた。ここまで彼が怒りの表情を見せるなんて。

「あなたが、十和を……!」
「だからぁ私は悪くないですよ玲さん。あの子が死を選んだだけです。私は噂しか流していませんから」
「その噂で十和は心を痛めたんじゃないですか!」

 玲の絶叫がこだました。さすがの勢いと剣幕に美幸も驚いたのか、一瞬だけ後ずさりした。そこを逃がさず夏子が私の恋人も寝取ったと告げる。
 客達はざわざわひそひそと話しながら、見ているだけだ。ここで私も我慢ならず口を開く。

「美幸さん。あなたは間違っている。ほら、恋人や家族はこんなにも悲しがっているじゃないですか」
「でも、私は何も間違った事してないわよ。向こうが同反応しようが私には関係ないし知らないわよ」
「……お母様お父様はどうお思いで?」

 両親に意見を求めるが、彼らは口をぱくぱくしながら泣くだけで何にも答えようとしなかった。
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