極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 本当は妹さんがいるんですか? とダイレクトに聞こうとしたが止めた。相手のプライベートに関わる事なのでダイレクトに聞くのは逆に失礼なのでは無いかと一瞬頭によぎったからだ。

「ああ、来ませんね」

 玲は何事も無かったかのように答えた。そうか、来ないなら色々聞かれたりしないで済むか。玲の両親にこの事が知られたらどうリアクションされるか考えるだけでも緊張感が湧いてくる。

「もしかして、両親が来ると身構えていましたか?」
「あっはい。お見通しですね」
「なんとなくわかったんです。でもご安心ください。結婚相手については私に一任されていますし、たとえあなたと本当に結婚するとなってもあの2人は反対しないと思います」
「そうなんですか?」
「ええ……」

 ふふっとうっすら笑う玲。なんだか、玲のこの笑みには何かが含まれているような、そんな感じが少しだけ読み取れたが、これは指摘して良いものなのかどうか。
 私はこういう聞いてはいけないものを聞いてしまい、お局や先輩に怒られるという事をたびたび経験している。それに相手は御曹司の玲だ。慎重に相手をしないと。

「そうですか。分かりました」

 と、妹の事は聞かずに胸の中にしまって、そのまま返事をする事にした。
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