極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 レイは受け答えもはっきりとしていて、声も明朗かつ優しく穏やかで聞き取りやすい。これは良い感じだ。

「では、こちらに着替えてください。この下はブラジャー等は外してください」

 手渡されたのは専用の紺色のTシャツと半ズボンのエステ専用の服だった。レイが一旦退出し、その間に私は着替えを行う。
 手早く着替えを済ませると、レイに着替えが済んだと報告した。

「お待たせしました。では、寝台にうつぶせになってください」
「……こうですか?」
「はい、そんな感じでオッケーです。もう1回確認ですけど雪乃さんはオイルとか大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
「わかりました」

 こうしてマッサージが始まった。最初に彼の手が触れたのはふくらはぎだった。

「うわ、すごいむくんでますね」
「やっぱりそうですか? 足全体が重い気がして……」
「しっかりほぐしていきますね。痛い所があればすぐにおっしゃってください」
「はい」

 彼の両手がふくらはぎをぐいぐいと押していく。気持ちいいし、それだけで疲れがゆっくりと和らぐ気がしてきた。
 ふくらはぎの次には腰や背中と上半身にもマッサージが及んでいく。肩回りや肩甲骨の付近に彼の指圧が入ると、自分で揉むだけでは解消されなかった凝りがほぐれていく感覚がする。

「普段デスクワークがメインですか?」
「えっなんでわかったんです?」
「肩回りがすごい凝ってるなと思ったので」
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