極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「朝食をお持ちしました」

 お手伝いさんがお部屋にわざわざ朝食の乗ったトレイを持ってきてくれた。
 朝食は和食。ご飯に鯖の塩焼きに卵焼きと合わせ味噌の味噌汁だ。

「わ、すごい豪華……」
「とりあえずうちはどちらかというと和食派なんで和食にしてみたんですが、どうですか?」
「勿論和食好きです!」
「では、どうぞ頂いてください。私はもう食べたので」
「は、はい。頂きます……」

 鯖の塩焼きは、骨が全て取り除かれておりとても食べやすい。塩味が効いていてごはんと合う。卵焼きもだしの風味と甘さが混ざり合い、これもごはんと合う。

「お、美味しい!」
「良かったです」

 味噌汁は豆腐と白ネギが入っていた。この濃いめの風味は米麹入りの味噌だろうか。テレビで有名人が使用している減塩味噌に味が近い気がする。

「この味噌汁、もしかしてあの減塩のやつですか?」
「はい。よく分かりましたね」
「うちも使っているんで。美味しいですよね」
「はい、私もあの味噌好きです」

 ちょっとした共通点を見つけ、少しはしゃぐ自分がいた。

「ごちそうさまでした」

 朝食はとても美味しいものだった。しかも食べ終わった後はすぐにお手伝いさんがお皿類を回収してくれた。

「いや、持っていきますよ……」
「いえいえ、こちらの仕事ですのでご遠慮なく」
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