極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
(ああ、だから夏子さんが……)

 美幸がいるのは夏子の丁度目の前にいる。だから夏子から笑顔が消えたのか。

(もしかして、夏子さんは美幸がどんな人か知ってる?)

 夏子の方に視線を向け、少し彼女の様子を見ていると、美幸がいる周囲には視線を向けていないのが分かった。それにあからさまに目をそむけているようにも見える。

(何かあったんだろうか)
「では皆様! 楽しんでってください!」

 そう高らかに声を上げた元気を合図に、後方からウェイター達が銀色の四角い大きな入れ物に入った追加の食事を持って現れる。

「失礼いたします」

 私のすぐ近くの机に男性ウェイターが置いたのは、トマトクリームソースのフェトチーネスパゲティだ。小さく切られた鮭とほうれん草も入っている。

(美味しそうだなあ)

 ウェイターから白いプレートを受け取ると早速私はフェトチーネスパゲティを備え付けの銀色のトングを使い盛り付けた。

「雪乃さん、それ食べるんですか?」
「はい、スパゲティ好きなので」
「私も食べます」

 他のテーブルにはデミグラスソースがかかったハンバーグや某ファストフード店で売られているのとよく似ている細長いフライドポテトに、鳥唐揚げにチャーシューに海藻の入ったサラダ、チキンライス、炊き込みご飯がそれぞれ配置されているのが見えた。

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