政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない

「ちょっとした調査」
「調査?」
「ああ」


貴俊は頷くが、はぐらかされた気がしなくもない。

(もしかしたら、そのときには雪平ハウジングへ融資を持ち掛けようと考えていたの? それでどんな娘か調べるために片野不動産を訪れたとか?)

同様に義姉の佳乃のことも調べたのかもしれない。


「最初からキミのお義姉さんとの結婚は考えていない」


まるで頭の中を覗かれたよう。今まさに考えていたところだ。


「そう、なんですか?」
「政略的に進めた結婚には違いない。でもそれはあくまでも手段であって目的じゃない」


雪平ハウジングの高断熱工法という〝目的〟を手に入れるための手段なら、明花もよく理解している。


「はい、わかっています」
「いや、明花はわかっていない」
「……え?」
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