政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない
「それは明花にだけ」
「私限定なんて……どうしたらいいですか」
もったいないし恐れ多い。
「どうもこうもないだろ。これまで大事にされなかった分、俺が明花をべたべたに甘やかしてやるから」
貴俊は明花の顔を覗き込むようにした。
なんと返したらいいのかわからず、どぎまぎしながら目線を外して俯く。
(貴俊さんみたいに気の利いたことを言いたいのに)
彼の視線を感じる頬がやけに熱い。
「明花? 聞いてる?」
「は、はい、聞いてます。……けど、そろそろご飯を」
「その前に」
気恥ずかしいため話を逸らしてしまおうとソファから立ち上がりかけたが、貴俊に引き留められた。
「きゃっ」