政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない

「これ以上続けていると、キスだけじゃ済まされなくなる」


明花の唇を拭った親指を自分の唇に押しあて、貴俊が微笑む。故意か過失か、ゆっくり瞬きをした目が艶っぽい。


「またあとにしましょう」


このまま甘いムードに流されるのが恥ずかしくて探した言葉は、逆に誘っているようになってしまった。


「明花の誘惑ならいつでも歓迎」
「あ、あのっ、そんなつもりじゃ……っ。ご飯が冷めちゃうので食べないとって思って」
「そうだな。早いところ明花のおいしい手料理食べて、おいしい明花をいただこう」


チュッと音を立てて明花の手の甲にキスをし、貴俊はソファから立ち上がった。
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