政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない

心強い言葉に励まされ、気持ちが一気に軽くなる。片野不動産を飛び出したときとは大違い。居心地のいい場所を手放さずに済み、これ以上うれしいことはなかった


「お待たせいたしました。クリームブリュレパンケーキとアッサムティーです」
「わぁ、おいしそう!」


スタッフがふたりの前にパンケーキと紅茶を並べる。表面をキャラメリゼしたパンケーキの周りにはベリーソースがたっぷり添えられていた。店同様におしゃれだ。


「明花さん、素敵なお店を知ってるんですね」
「ううん、私もたまたま通りがかっただけなの」
「なんだぁ、そうなんですね。てっきり旦那様と一緒に来たのかと思いました。今度、隆子さんも連れてきてあげましょ」
「そうね、そうしましょ」


万智と笑い合う。

(事務所に帰ったら、隆子さんにもきちんとお礼を言おう。改めて、またよろしくお願いしますって伝えなきゃ)

ナイフで切り分けたパンケーキを頬張る。
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