政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない
「私も貴俊さんにプレゼントがあるんです」
「俺はいらないと言っただろう? 欲しい物ならとっくに手に入れてる」
それが明花だと言いたいのだろう。
クリスマスになにかプレゼントしたいと相談したが、明花は彼に『なにもいらない』と辞退されていた。
そういうわけにもいかず悩みに悩んでいた先週末、とっておきの〝もの〟が見つかった。
貴俊だけでなく、明花にとっても最高の贈り物と言ってもいい。
「そう言わずに聞いてください」
「聞く?」
貴俊は明花をそっと引き離し、小首を傾げた。
「貴俊さんとの赤ちゃんができたそうです」
明花が告白した瞬間、貴俊から表情が失せる。
無の表情。喜びも悲しみも、怒りもなにもない顔だ。
(もしかしてうれしくないのかな。だけど前に、子どもは欲しいと言っていた記憶があるんだけど)
明花が不安に包まれたそのとき、貴俊の喜びが爆発する。