政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない

「それは本当か!? 俺たちの子どもが!?」
「はい、生理が遅れていたので念のために病院に行ったら――」
「そうか。いや、ほんとにうれしい。っていうか、うれしいを通り越して気がおかしくなりそうだ」


明花の言葉を遮り右往左往する。よほど気が動転しているのか、なにをどうしたらいいのかわからない様子だ。
とにかく喜んでくれているのは十分に伝わってきたため、ほっとすると同時にうれしくなる。


「私、やっと貴俊さんにお返しができた気がします」
「お返し?」


貴俊は不思議そうに聞き返した。


「貴俊さんにはいつも与えられてばかりだったので」
「べつに与えていたつもりはない。俺の自己満足だから」
「そう言うとは思っていましたけど」


クスッと笑いながら貴俊を見つめ返した。
貴俊に包まれた愛から生まれた大切な命は、明花にとってもなににも代えがたい。

そして同時に感じたことが、ひとつある。
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