天才外科医は激甘愛で手放さない~絶対に俺の妻にする~

 瀬七さんの低い声に動きを止め、心臓が激しく動き出す。

 「はじめまして! ぼくは、おくなえいとです!」

 栄斗が普段から保育園で練習している元気いっぱいの挨拶を聞いて、画面から“ははは”と声が聞こえてくる。

 『お兄さんは、セナっていいます。ママのお友達だよ』

 「ままの、おともだち……」

 この状況で無理やり通話を終えるのは忍びなく、私はしぶしぶ手をどかす。

 栄斗はいったい誰なんだろうと、目を輝かせてスマホ画面をのぞき込んだ。

 そして瀬七さんはというと、とても穏やかな表情で栄斗を見つめている。

 『そう、お友達。栄斗君、最強レンジャーのものまねお兄さんにも聞こえていたよ。すごくかっこよかった』

 「かっこいい? れんしゅう、がんばってるからかな!」

 初めての親子の対面に、息が詰まる思いで見つめる。

 このふたりが血が繋がった親子というのは、私だけしか知らない。

 栄斗はふとした表情は瀬七さんに似ているけれど、私から見てあまり似ていないような気がする。

 母がいうには幼いころの私にそっくりだそうだ。

 だから私が打ち明けなければ、きっと彼は自分の子だとは思わない。今は画面越しなのだから、尚更分からないだろう。

 瀬七さんは大勢の患者さんを相手にしているからか、栄斗と話すのもお手の物で、すでに打ち解けている様子だった。

 しばし栄斗の最強レンジャーの話を笑顔で聞いて、時々質問したりしている。

 『……なるほど、ショーがあるんだね。じゃあ今度、最強レンジャーがいる場所に連れていってあげようか?』
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