天才外科医は激甘愛で手放さない~絶対に俺の妻にする~
「栄斗……」
栄斗がここまで意思を通そうとするのも、珍しい。
よっぽど、今は最強レンジャーに会いたいのだろう。
栄斗が行きたいショーというのが隣県の山奥の遊園地で行われる、夏季限定のスペシャルショーだというのは、分かっている。
母は心臓が悪いので音響が大きい場所に行くのはためらわれる。
おのずとひとりで栄斗を連れていくことになるのだが、車に乗れない私が山奥に彼を連れて行くとなると、電車とタクシーを乗っていかなければならない。
『ひかり、栄斗君を連れて行ってもいいか?』
瀬七さんが黙っている私に尋ねる。
いくらふたりを会わせることがまずいとしても、栄斗が楽しめる場所に連れて行ってあげたいという、親心は捨てられない。
瀬七さんと栄斗は顔が似ていないし、大丈夫……かな。
「……あ、ありがとうございます、瀬七さんの言葉に甘えて、栄斗をショーに連れて行ってください」
「やったー!」
私の言葉の意味が分かったのか、栄斗は嬉しそうに顔をほころばせた。
しかし一点、最後に確認しておくべきことがある。
「本当に……ほんとーーーに、恵さんとはお付き合いはしていないんですよね?」
彼女がいる人と、栄斗をつれて出かけるなんて絶対にだめだ。
瀬七さんにこっそりと尋ねると、彼は困ったような表情を浮かべた。
『だから言っただろ? 本当に、ないぞ。命をかけても、ない』