秘密の恋をしませんか⁈ ロミオとジュリエットの恋*ハッピーエンドになります
「えぇ、私にできることなら」
「樹梨ちゃん、君しかできないよ」
樹梨ちゃん?
そこまでの間柄じゃないのだが…
「なんでしょう?」
「ここではちょっと。仕事終わりに話さないかい?」
「仕事終わりですか?迎えが来ますし、それまでの時間ならいいですけど」
うちは、ほんと過保護なのだ。
久世という家のせいもあるだろうが、よほどの事情がない限り、仕事場だろうと送迎される。
露美緒さんとのホテルの逢瀬では、送別会という理由で、迎えは終わる頃に連絡と約束させられて、二次会まで出てくると言って、誤魔化した。
悪い娘でごめんなさいと思うが、今、彼との恋を諦めたら、顔も知らない許嫁と一生添い遂げる結婚なんて我慢できないと思うのだ。
兎に角、力になると言ってしまった手前、話ぐらいは聞かなければと思い、迎えが来るまでと思ったのが、間違いだった。
仕事終わりに、職員出口ではなく、患者用出口で待ち合わせた。
そこなら、車が来やすいからだ。
「樹梨ちゃん、人目もあるから乗ってくれないかい?」
議員ともなれば、いろいろと気をつけなければならないのだろうと、車の後部座席に乗ったのだ。
だが、乗るなり口にハンカチを当てられて、息を止めたが、間に合わず意識が薄れていく。