私が一番あなたの傍に…
狂おしい欲求に私達は二人で手を伸ばす。
共に淡くて甘い熱に溺れる。二人の熱が交ざり合い、一つに重なる。
何度も求め合った。狂おしいこの熱は中々冷めてはくれない。
でも限度はある。先に体力の方が尽きた。そのまま疲れて二人で眠りに落ちた。
目が覚めたら寝落ちしていたことに気づき、二人で現実を目の当たりにし、絶望した。

「寝ちゃったものは仕方ないし、また明日頑張りますか」

「ですね。今日はもう諦めますか」

引っ越し作業は思ったより進まなかったが、同棲開始初日に恋人らしいことができて、それはそれで良しとした。


           *


同棲を始めて数日が経過した...。
大学に通いながら引っ越しの荷解きもしているため、なかなか進まず。まだダンボールと共に生活している。
それでもなんとか生活できているため、一先ず良しとしよう。

「荷物、多いね...」

そんなにないものだと思っていた。自分の荷物も、愁の荷物も。
実家に殆ど荷物は置いてきたものの、こっちで暮らし始めてから増えた荷物も多い。
そう思うと自分の荷物に愛着が湧いた。愁と出会ってから増えた荷物だって分かったから。
これからはこの家で二人の物が増えていく。お揃いの物とか...二人だけの特別な物が欲しい。
徐々にそうやって増やしていけたらいいなと思った。

「そうだな。ちょっと整理しますか」

本当に必要かどうか整理するのも大事だ。その分、二人の物も新たに増やせる。

「そうだね。そうしますか」
< 108 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop