私が一番あなたの傍に…
まずは二人で荷物の整理を始めた。本当に要らないものを処分するために。
整理を始めた瞬間、この間まで必要だったものが急に必要に思えなくなった。
不思議な感覚に自分でも戸惑いを隠せなかったが、今は新しい荷物を増やせる楽しさの方が勝っていた。

「愁、私は案外要らない物が多いかも」

捨てようと決意すれば捨てられる。
物を大切にする気持ちも大切だが、時には手放す勇気も必要なわけで。
今の私にはときめきの方が大きかった。だってこれから先のことを考えたら、楽しみの方が大きいから。
そう思うと、自然と物を減らせた。新しい物が早く欲しくなった。

「俺も多いかも。お互いに考えてることは一緒みたいだな」

どうやら愁も同じことを考えていたみたいだ。これならすんなり要らない物を処分して、新しい物を買えそうだ。

「そうみたいだね。新しい物が早く欲しいね」

二人の家だから、二人で選んだ物を使いたい。学生だからあまり贅沢はできないが、せっかくだから新調したい。

「そうだな。食器とかクッションとか、そういう物なら無理なく新調できるもんな」

高価な物は無理だが、値段的にそこまで高くない物であれば新調できる。
二人共バイトしているため、お金に関して心配は要らない。お互いに出し合えばなんとかなる。
とは言っても、本当に必要な物を厳選しなければならない。そこまでお金に余裕があるわけじゃないから。
ただ新生活気分を味わいたいだけで。少しだけ新調できればそれだけで満足だ。

「うん。そうだね。まずは身近な物を新調しますか」

今の私達にできる範囲内で、徐々に二人で力を合わせて物を増やしていきたい。
そしていつか今以上にもっと物を増やせたらいいなと思う。
そんな未来を想像しながら、私は自分の将来についても前向きに考えることができそうな気がした。
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