私が一番あなたの傍に…
私達のデート事情はさておき、出かけるとなると隣街まで行く…というのが私達の間では定番となっていた。
今日は久しぶりに隣街まで行くので、ワクワクしている。
お買い物自体も久しぶりだ。今まで引っ越しのために節約してきたので、余暇に回すお金は我慢していた。
せっかく隣街まで行くので、時間と予算が余ったら新しい洋服が欲しい。帰りに軽くお茶してから帰るのも悪くない。
久しぶりのお出かけに完全に浮かれていた。ただの買い物に過ぎないが、それだけでも浮かれてしまう自分が単純だなと思った。

「そうだな。久しぶりに隣街に行くな…」

愁も引っ越しの準備をしながら、大学とバイトの両立をしていたため、遊びに出掛けている時間がなかったのであろう。
どうやらお互いに久しぶりに出かけることが楽しみなようだ。完全に浮かれていた。同棲したてなので仕方がない。

「私も久しぶりに隣街に出かけるよ。ここ最近、出かけてる余裕なんてなかったもん」

「確かにそんな余裕なかったよな。俺、引っ越しと同時に新しいバイト先も探してるから本当に余裕がなかった」

まさか愁が裏で引っ越し以外にも頑張っていたなんて…。知らなかった彼の苦労話を知り、彼のことを支えたいと思った。
同時に私も頑張らなきゃなと思わされた。いつ自分のやりたいことが見つかるのか分からないが、見つけようと模索するのは大事だ。
できれば見つかってほしいが、見つからなかった時はその時になったら考えればいい。とりあえず就職して、その後に見つけるでもいい。
どんなタイミングでもいい。できれば学生のうちに見つけられたら就活するのに困らないだけだ。
そう思えたら一気に気が楽になった。そう思えた瞬間、なんだかすぐにやりたいことが見つかりそうな予感がした。

「そうだったんだね。探すのって大変…?」

「大変だよ。一応、知り合いのツテを当たってるけど、バイトさせてもらえるかどうか分からないからね…」
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