私が一番あなたの傍に…
「何か欲しいものでもあったか?」

隣で愁が様子を窺っている。私がどんなものを選ぶのか気になっているのであろう。
当の本人はまだ決まっていない。どのデザインも良いと思うが、いまいちこれといってピンとくるものがない。

「うーん…。どれも素敵だなって思うけど、これ!ってやつがなくて…」

この場で即決した方が色んなお店を回らなくて済むが、できれば拘りたい。
それに今すぐどうしても必要ってわけではないので、今日中に買う必要もない。
こういうのはゆっくり決めたい。自分がどうしても欲しいと思うものが見つかるまで。

「そっか。それなら欲しいものが見つかるまでゆっくり探そっか」

嫌そうな顔一つせず、そう言ってくれた。愁の優しさに私の心は癒された。
こういう時、待たされる側の気持ちは早くしてくれというのが本音だと思う。
そういう気持ちにならずに、心から本心で待とうという気持ちが嬉しくて。本当に愛されているなと実感した。

「そう言ってくれてありがとう。それじゃお言葉に甘えてゆっくり探させてもらうね」

「おう。気にするな。せっかくだからいいなって思うものが見つかるまで探したいじゃん」

できればそうしたいが、なかなか見つからない場合は色んなお店を見て回ることになるので、連れ回してしまうことになる。
申し訳ないと思いながらも、愁の気持ちを大事にしたい。愁が嫌だと言うまでは付き合ってもらうことにした。
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