私が一番あなたの傍に…
「実は…?」

「実は昨日でコンビニバイトを辞めたんだ。来月から前に伝えてた税理士の事務所で簡単なバイトをさせてもらうことになったんだ」

以前、話には聞いていたが、まさかそのことだったなんて思いもよらなかった。

「そっか。そうだったんだね。それなら私も愁に伝えたいことがあるの」

あれから私も私なりに将来やりたいことについて考えた。
そして一つの答えに辿り着いた。自信を持って言える。自分のやりたいことを…。

「私、今の大学にはどうしても行きたいと思って、頑張って猛勉強したんだけど。でも大学に行ってやりたいことが特にこれといってなくて。なんとなく今の学部を選んだの。だから一年生まではなんとなく勉強してたくらいなんだけど。二年生になってこれでいいのかな?って思い始めて。愁から夢を聞いて余計に焦り始めて。
でもこの間、漠然とこう思ったの。看護師になりたいって。せっかく看護学部を選んだからってのもあるけど、勉強していく中でなんとなくからちゃんとやりたいことに変わって。今、看護の勉強が楽しくて。絶対に看護師になりたいという気持ちが強くなったんだよね」

来年からは実習が増えるので忙しくなる。想像するだけで大変なんだろうなと思う。
きっと今までみたいにバイトのシフトも入れなくなると思うので、稼ぎも減ることになる。
それは痛いが、その分将来への期待と希望で溢れている。

「そうだったんだ。看護学部に通ってたことは知ってたし、なんとなくだけど看護師がやりたいことじゃないってことは薄々、前に将来のことを話した時にそうなのかなって思ってた」

看護学部に通っておきながら将来やりたいことがないってのは贅沢な悩みだ。
あの時までどうしてそう思っていたのだろうか。なんとなく選んだ学部だったから、流されて看護師になるみたいで嫌だったのかもしれない。
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