私が一番あなたの傍に…
「お待たせ。姉貴が邪魔してごめんな」

私は全然構わなかった。これから家族になる人なので、少しでも仲良くなれるいい機会…くらいにしか考えてなかった。

「全然大丈夫だよ。お義姉さんとお話できて楽しかったから」

「本当か?それなら良かった…」

私のその言葉が聞けて、愁は安心したみたいだ。身内としては家族と仲良くできるかどうか大事だ。

「俺さ、実家に居た頃、姉貴にこき使われてさ。姉貴の舎弟みたいなもんだったんだよ。だから姉貴を見ると反射的に逆らいたくなるというか、幸奈にも変な絡み方をしてないか心配になって...。余計なお世話を焼いちまったな…」

私には姉弟がいないので分からないが、姉弟同士にも距離感というものがあるのだろう。
一人っ子の私にはそれが羨ましいと思った。だからこそ義理のお姉さんができて嬉しかった。

「そうだったんだ。それは相手が愁だからだと思うよ。家族って家族だけの距離感があって。お義姉さんなりに愁に甘えてるのかな…って」

弟が可愛いあまりにそういった距離感で接してしまうのかもしれない。
あくまでこれは想像なので本当のところは分からないが、お義姉さんもお義姉さんなりに愁を可愛がっているということは間違いない。

「姉貴なりにか。そう思えば聞こえはいいが、やっぱり俺はまだあの頃のままの姉貴で止まってるな」

私が気休めを言ったところで、どう思うかは本人次第だ。
それに家族のことは家族にしか分からない。黙って見守っている方が良さそうだ。

「そっか。いずれお義姉さんとも分かり合える日がくるよ」

「どうかな?俺にはまだ想像できねーな」

愁には悪いけど、そんな愁が可愛いと思った。
私には未来で二人が文句を言い合いながらも仲良くしている姿が想像できた。
< 200 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop