私が一番あなたの傍に…
「新郎新婦さん、そろそろ出番です」
あっという間に本番がやってきた。まずはチャペルで誓いの儀式を行なう。
人前でキス…。恥ずかしくもあるが、同時にたくさんの人に私達の結婚を認めてもらえるのかと思うと、それはそれで大変光栄なことだ。
「呼ばれたし行くか」
「そうだね。行こっか」
椅子から立とうとした瞬間、いつも通りに愁が手を差し伸べてくれた。
私はその手を取った。そして同時に式場の人がドレスの裾を持ってくれた。
「それでは式場に案内致します。新郎様、新婦様を支えながら歩いてくださいね」
式場の人にそう言われると愁は、「はい。分かりました。ちゃんと支えます」と言った。
実際、チャペルに行くまでの道をちゃんと愁は支えてくれた。
そしてチャペルに着いたら、今度はお父さんと支える番を交代した。
「幸奈、おめでとう。とても綺麗だよ」
哀愁漂う優しい顔でお父さんはそう言ってくれた。
お父さんの顔を見た途端、急に寂しさが込み上げてきた。
「お父さん、ありがとう。私、お父さんの娘に産まれて幸せだったよ」
結婚したからといって、家族の縁が切れるわけじゃない。これからも大平家であることに変わりない。
でも私の姓は大平から岩城へと変わった。たったそれだけのことで父との間に溝ができたような感覚に陥った。
「こちらこそ僕達の元に娘として産まれてきてくれてありがとう。父さん、今日の式に参加できて嬉しいよ。こんなにも綺麗な娘の晴れ姿を見ることができたんだから」
今から結婚式が始まるというのに、既に泣きそうになった。
でもここは一旦、涙を堪えた。涙を流すのはまだ先だから。
「私もお父さんに晴れ姿を見せることができて嬉しいよ。こうして一緒にバージンロードを歩けるわけだし」
バージンロードは、結婚式において大切な儀式だ。大事な娘を新郎に託すために、お父さんと一緒に彼の元まで歩む。
これまで一家の大黒柱として、仕事に奮闘してきた父。こうして一緒に腕を組んでみて、父も歳を取ったなと感じた。
あんなに大きく感じた背中が、今は小さく感じる。まだ父も若いはずだが、自分が幼かった頃に比べたらそれなりに歳を重ねているわけで。
こうして一緒に歩けるのも親が若いうちだからなんだと、改めて考えさせられた。
「そうだな。父さんも一緒に歩けて幸せだ」
お父さんと少しの間だけど、話せて良かった。同時に親孝行ができたような気がした。
これが親孝行と言っていいのか分からないけれど、こうやって少しずつ親を喜ばせることができたらいいなと思った。
「新婦様と新婦様のお父様、もうすぐ入場ですので、ご準備をお願い致します」
式場のスタッフさんに指示を煽られたので、私とお父さんは扉が開くまで心の準備を整えた。
心の準備を整えた次の瞬間、すぐに扉が開いた。扉の先には招待した人達が皆居て。それだけでまた涙が出そうになった。
あっという間に本番がやってきた。まずはチャペルで誓いの儀式を行なう。
人前でキス…。恥ずかしくもあるが、同時にたくさんの人に私達の結婚を認めてもらえるのかと思うと、それはそれで大変光栄なことだ。
「呼ばれたし行くか」
「そうだね。行こっか」
椅子から立とうとした瞬間、いつも通りに愁が手を差し伸べてくれた。
私はその手を取った。そして同時に式場の人がドレスの裾を持ってくれた。
「それでは式場に案内致します。新郎様、新婦様を支えながら歩いてくださいね」
式場の人にそう言われると愁は、「はい。分かりました。ちゃんと支えます」と言った。
実際、チャペルに行くまでの道をちゃんと愁は支えてくれた。
そしてチャペルに着いたら、今度はお父さんと支える番を交代した。
「幸奈、おめでとう。とても綺麗だよ」
哀愁漂う優しい顔でお父さんはそう言ってくれた。
お父さんの顔を見た途端、急に寂しさが込み上げてきた。
「お父さん、ありがとう。私、お父さんの娘に産まれて幸せだったよ」
結婚したからといって、家族の縁が切れるわけじゃない。これからも大平家であることに変わりない。
でも私の姓は大平から岩城へと変わった。たったそれだけのことで父との間に溝ができたような感覚に陥った。
「こちらこそ僕達の元に娘として産まれてきてくれてありがとう。父さん、今日の式に参加できて嬉しいよ。こんなにも綺麗な娘の晴れ姿を見ることができたんだから」
今から結婚式が始まるというのに、既に泣きそうになった。
でもここは一旦、涙を堪えた。涙を流すのはまだ先だから。
「私もお父さんに晴れ姿を見せることができて嬉しいよ。こうして一緒にバージンロードを歩けるわけだし」
バージンロードは、結婚式において大切な儀式だ。大事な娘を新郎に託すために、お父さんと一緒に彼の元まで歩む。
これまで一家の大黒柱として、仕事に奮闘してきた父。こうして一緒に腕を組んでみて、父も歳を取ったなと感じた。
あんなに大きく感じた背中が、今は小さく感じる。まだ父も若いはずだが、自分が幼かった頃に比べたらそれなりに歳を重ねているわけで。
こうして一緒に歩けるのも親が若いうちだからなんだと、改めて考えさせられた。
「そうだな。父さんも一緒に歩けて幸せだ」
お父さんと少しの間だけど、話せて良かった。同時に親孝行ができたような気がした。
これが親孝行と言っていいのか分からないけれど、こうやって少しずつ親を喜ばせることができたらいいなと思った。
「新婦様と新婦様のお父様、もうすぐ入場ですので、ご準備をお願い致します」
式場のスタッフさんに指示を煽られたので、私とお父さんは扉が開くまで心の準備を整えた。
心の準備を整えた次の瞬間、すぐに扉が開いた。扉の先には招待した人達が皆居て。それだけでまた涙が出そうになった。