私が一番あなたの傍に…
「幸奈は充分、そのままで大丈夫だと思うけどな」

自分の親に紹介しても恥ずかしくないと、言われているような気がした。
それが更なる自信をもらえて。少しだけ親に会う緊張が解けた。

「ありがとう、そう言ってくれて」

愁とお付き合いするにあたって、色んなことがあった。
色んな人に迷惑をかけてきたし、決して順当にお付き合いできたわけじゃない。
だから、私達の交際を認めてもらえないかもしれない。罪には罰が与えられるべきだから。
でも、欲をかいてもいいのなら、自分の親にも、愁の親にも、私達の交際を認めてもらいたい。
もう愁のことに関しては、遠慮せずに欲張ると決めた。失いたくない。あなたと一緒に居られないのなら、私は他に何も望まない。
それぐらい、私の中では大恋愛だ。たとえ周りから見たら、大学生のおままごと恋愛でしかないとしても。

「当然だろう。俺の彼女は世界一可愛くて、いつでも自慢したいくらいなんだから」

それは私も同じだ。世界一かっこよくて、いつでも自慢したいくらいに。

「楽しみだな。幸奈の両親に会うの」

私も愁の親に会うのが楽しみだ。緊張もしているが、好きな人の親がどんな人なのかも気になる。そういった意味では、とても楽しみだ。

「私も楽しみ」

両家への挨拶を考えつつ、物件も探している。もちろん、両親のお許しを得てから一緒に暮らそうと思っているので、まだ物件を眺めているだけに過ぎないが…。
住む家を変えるだけで、できれば住む地域は変えたくない。大学もバイト先のことも考えると、その方が有難いから。
しかし、この辺の物件は、大学が近いこともあり、大学生の一人暮らし向けの物件が多い。そのため、同棲向けの物件があまりない。
せめて隣町にした方がいいのかもしれない。そう思い始めているが、どうしてもこの地域に思い入れがあるため、学生のうちはここから離れたくない。
こだわりすぎると見つからないと分かっていながらも、どうしても住む地域にこだわってしまう。
まだ時間があるし、急いでいないため、長い目で見ながらゆっくり探していた。今は両家への挨拶のことだけを考えていた。
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