クールな御曹司は強気な彼女を逃さない
28

28.〜純平side〜



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この旅行で、俺は麗にプロポーズをする。


舞台に選んだのは、メキシコのカンクンから少し移動したところにある、ピンクラグーンという、塩田。


塩を人工的にとるために作られた湖が、植物プランクトンにより、美しいピンクの色を作り出す。


いつだったか、写真を見た時に、青空とピンクの湖の華やかなコントラストに、湖に映し出される白い雲、見事な絶景に、心を持って行かれた事があったのを思い出す。
水色とピンクが混ざり合う様子は、なんとなく俺と麗みたいだと思ったのだった。


麗は、俺のプロポーズを受け入れてくれるだろうか。
らしくなく、不安になる。

麗の事になると、こんなにも自分が繊細だった事に気付く。

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