清くて正しい社内恋愛のすすめ
 穂乃莉と加賀見はフードフェスの会場を後にすると、プラネタリウムに向かった。

 このプラネタリウムは、昨年リニューアルオープンしたばかりの、大きな商業ビルの最上階にある。

 ネットでも大きく取り上げられていたが、やはり人気のようで、チケット売り場は多くの人で賑わっていた。


 穂乃莉は中へ入ると、キョロキョロと案内の看板を見上げる。

 そこにはチケットの価格と共に、座席の種類が書いてあった。


 ――すごく恥ずかしいけど、やっぱり……。


 ずっと憧れていたのだ。カップルシートに座りたい。

 穂乃莉が勇気を出してチケットカウンターに行こうとした時、「穂乃莉こっち」と加賀見が手招きした。


 加賀見はスマートフォン片手に、入り口に立っている。

 首を傾げながら駆け寄った穂乃莉の手を握ると、加賀見は入り口の女性に声をかけ、スマートフォンのコードを画面にかざした。

「ごゆっくりお楽しみください」

 女性にパンフレットを手渡され、穂乃莉は戸惑ったまま加賀見に連れられて中へ入る。


「加賀見、チケット予約してくれてたの……?」

 穂乃莉が驚いた声を出すと、加賀見はそっと穂乃莉の耳元に唇を寄せた。
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