清くて正しい社内恋愛のすすめ

王子からのプレゼント

「穂乃莉さん! あけましておめでとうございますぅ」

 年が明け、久しぶりに出社した穂乃莉は、満面の笑みの花音に出迎えられた。

 花音は今すぐにでも穂乃莉の話が聞きたくて、うずうずしている様子だ。

 そして花音の隣には、玲子と卓が同じように身を乗り出すようにして立っていた。

 三人はタッグを組むように、他の社員に新年の挨拶をすませ、デスクにつこうとした穂乃莉の前に立ちはだかった。


「皆さん、あけましておめでとうございます……えっと、どうしたのかな?」

「どうしたかじゃないですよぉ。もうあの後、大騒ぎだったんですからぁ!」

 花音は可愛らしく頬をぷっと膨らませる。


 あの後とは、納会で加賀見が穂乃莉をお姫様抱っこして去った日のことだろう。

 まぁ確かに、その直前まで女性社員に囲まれていた加賀見が、王子様のように穂乃莉を連れて帰ったのだから当然といえば当然。


「もう、いつから付き合ってたんですかぁ? 穂乃莉さんの様子が変だなって、思ってたんですよねぇ」
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