清くて正しい社内恋愛のすすめ
「はい。加賀見がお休み中に、ほぼ完成形の企画書を作ってくれてたんです。だから私も頑張らなきゃと思って」

 穂乃莉が画面をマウスで示すと、相田が「へぇ」と覗き込んだ。

「陵介とは、うまくやってそうだな」

「ま、まぁ……」

「いいコンビだと思うよ」

「え?」

「二人は、お互いの強みを生かして、弱さをカバーし合える、良いパートナーになると思う」

「そ、そうですか?」

 相田の意味深な言葉に、穂乃莉は少し戸惑って下を向く。

 まさか相田から、そんな事を言われるとは思ってもみなかった。

「でも、あんまり根詰めすぎるなよ」

 相田は肩をすくめて笑うと、ミルクティーを穂乃莉のデスクにぽんと置く。

「ありがとうございます。ごちそうさまです」

 穂乃莉は相田の背中を見ながら、そっとデスクに置かれた缶に手を伸ばした。


 穂乃莉が好きな銘柄のミルクティーは、買ったばかりなのかまだとても熱い。

 人がまばらになって肌寒くなっていたフロアで、冷えた指先にじんわりと熱が伝わった。
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