添い寝だけのはずでしたが
「必要な物、結構いい感じに揃ったよ。やっと座れる~」


「このみちゃん、ありがとね。ここに座って」


 私の隣、千咲ちゃんが座っているのと反対側の席が空いているので指差した。


「あ~、寧々ちゃんの笑顔に癒される。私の推しは寧々ちゃんだわ」


「ふふっ」


「もうさ、聞いてよ。エマちゃんから連絡があって、所属タレントのゴリ押ししてくるの。ファンミーティングがあるから行かないかって。もうエマちゃんとは関わりたくないのに……」


「前はホイホイ行ってたよね、エマ協に入ってたし」
 

千咲ちゃんが吐き捨てるように言った、初めて聞く言葉に首を捻る。


「エマ協……? 何それ」


「貝殻型のピンを渡されたことない? あれを持ってると、エマが決めた協定に従わないといけないの。水島に近付かない、エマのお願いは絶対に聞く、他……なんだっけ? かなりくだらない内容だよ」


そ……そうなの!?


葵さまはそれを知っていて、転校初日に私がエマちゃんからもらったピンを取り上げたのかな。


まさか……ね?


「その代わり、ライブやイベントの優先権がもらえたり、非売品グッズも簡単に手に入るから、推しがいる子には結構お得なんだけどねー」


 今度はこのみちゃんがため息をつきながら話し始める。

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