左遷された王女は青銀の風に守られる ~地属性魔法で悪人退治を楽しんでいたら大変なことになりました~



 フェデリーカは極秘に離宮に送られた。
 一緒に悪人を狩っていた護衛はクビになった。表向きは自主的な退職だ。
 内々に処理されたそれを、キアーラは知らない。
 だから、エリゼオ・マルティノッジ伯爵が再び離宮を訪れたとき、キアーラは目を輝かせた。

「恋の予感がいたしますわ! フェデリーカ様に一目惚れなさいましたのよ!」
 無邪気なキアーラに、フェデリーカはため息をつく。
 そうじゃない。
 だけど、それを言うわけにもいかない。
 フェデリーカが人払いをすると、キアーラは意味ありげに目配せをして退室した。

「とんだ跳ねっ返りですね」
 開口一番、彼は言った。
 フェデリーカは気まずくて目をそらした。

「護衛もいい迷惑です。いえ、もう護衛ではないですね」
「それは……反省しています」
それ(・・)は。つまり、自分の行動には反省していないと」
「だって、いいことしたのよ」

「彼らは退職した直後、過労で倒れたそうですよ」
「え?」
「あなたのやっていることもまた違法です」
「そんな!」
「街に穴をあけないでください。みんな困ってますよ。この前も馬車が穴にハマって立ち往生しておりました」
「そんな……」
 そんなことになっているとは思わなかった。

 いや、気が付かなくてはならなかった。少し考えればわかることだ。これではコルネリオをバカにしていられない。
「わかったら、おとなしくなさってください」
 不服そうにうつむくと、エリゼオはあきれたようにため息をついた。
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