左遷された王女は青銀の風に守られる ~地属性魔法で悪人退治を楽しんでいたら大変なことになりました~

***

 イラーリアは震えていた。
 友達のノエミを呼んで、我が子を交えて楽しいお茶会をしているところだった。
 ドアを勢いよく開けて四人の男が入って来たかと思うと、一人はナイフを突き出し、残りの三人はあちこちのドアを閉めて回った。
「動くなよ。お前たちは人質だ」
 三歳になったばかりの子が泣きだす。

「うるさい! 黙らせろ!」
 男に怯え、イラーリアは必死に子供をあやした。
 なにが起きているのかわからなかった。人質と言われたことで、自分たちが犯罪に巻き込まれたことだけはわかった。
 やがて、外の気配が変わった。

「ちっ。兄貴、囲まれました」
 木戸の隙間を覗いた男の一人が言う。
「こっちには人質がいる。下手な手出しはしてこないだろう」
 額に傷のある男が答えた。
 囲まれた、ということは衛兵が来たのだろう。ああ、助けが来てくれた。イラーリアは少しほっとした。だが、実際に救出されるまでにどれほどの時間がかかるだろう。
 ノエミを見ると、彼女もまた不安そうにイラーリアを見ていた。

***

 男は、木につながれた馬を見て首をかしげた。
 高そうな鞍がついているし、毛並みがいい。
 鞍を見て驚いた。金の象嵌で紋章までついている。
 なんでこんなところに。
 男は綱を木からはずし、馬を連れて歩き出した。
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