左遷された王女は青銀の風に守られる ~地属性魔法で悪人退治を楽しんでいたら大変なことになりました~
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エリゼオは部下の報告に、顔をしかめた。
「王女の馬だと?」
「不審な馬がいると通報があり、確認しました。紋章から、王女殿下の騎馬であると思われます」
では、あのお転婆が来ているのだ。おそらくは、たてこもりを解決しようとして。
エリゼオは額に手を当てて天を仰いだ。
「いかがなさいますか」
「……確証があるわけじゃない。今は手勢をさけない。離宮に伝令をやって殿下はお健やかにお過ごしですか、と尋ねろ。内密にな」
はい、と答えて部下は立ち去る。
ふいに野次馬から歓声が上がった。
衛兵に連れられ、二人の女性がよろよろと現れた。子供も一緒だ。
「ありがとうございます」
エリゼオを見るなり、女性は膝をついた。
「地魔法を使う女性のおかげで、脱出できました」
「黒髪に緑の瞳の女性か?」
「はい」
「彼女は今どこに」
「私たちは逃げるのに必死で、家を出たあとは女性を見ていません」
「では、まだ中に」
最悪だ、とエリゼオは口の端をゆがめた。
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フェデリーカは両手を縛られた。縄の先は梁に固定されていて、つま先立ちでいなければならない長さだった。手首に縄が食い込んで痛い。それに、これでは地面に向けて魔法を放つことができない。
「こいつは高く売れるぞ」
「しばらくは仕事をせずにすむ」
「放火してから盗みに入るなんて、手間だなもんなあ」
「殺すより楽だろ」
「そりゃそうだけどさ」
げらげらと男たちが笑う。
こいつらか、とフェデリーカはにらむ。こいつらが街の治安を脅かしていた犯人だ。
「どう料理してやろうか」
男たちは下卑た笑いでフェデリーカを見る。