左遷された王女は青銀の風に守られる ~地属性魔法で悪人退治を楽しんでいたら大変なことになりました~
「こんなことしてただですまさないわよ!」
「この期に及んで威勢のいい」
 傷の男がフェデリーカを蹴飛ばした。
 う、と(うめ)いて顔を苦痛にゆがめた。

「育ちのいい女をズタボロにするのは気分がいいだろうなあ。いつも上から物を言いやがってよ!」
 また蹴られた。
「あんまり傷をつけるなよ。楽しめなくなるだろ」
「抵抗する気力はなくしておいたほうが楽だろ」
「抵抗するから面白いんだろ」
 なんの話だ、とフェデリーカは体を震わせる。

「俺が見張っておいてやる。先に楽しんでいいぞ」
 傷の男が言い、残りの三人がへへ、と笑う。
「なによ!」
「いつまで負けん気がもつかな」
「くれぐれも手を地面に向けさせるな」
「縛ってあるんだから大丈夫さ」
 仲間の男が笑う。

 男たちがフェデリーカに猿轡を噛ませる。これで悲鳴を上げることも男たちに噛みついて抵抗することもできなくなった。
 なんとかしないと。
 フェデリーカは天井を見上げる。

 木の天井が見える。その向こうにあるのは確か、スレートぶきの屋根。
 スレートは粘板岩、つまりは地に属するもの。
 フェデリーカは天井に向けて思い切り力を放った。
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