左遷された王女は青銀の風に守られる ~地属性魔法で悪人退治を楽しんでいたら大変なことになりました~
「それが噂の魔剣か。よこせ」
「お前には使えない」
「構やしねーよ。売るんだからな」
言って、男は切り込んでくる。
エリゼオは受け流し、返す刀で男を斬る。
が、半歩早く避けて男は腕を突き出す。
炎の柱が走り、エリゼオは剣を振るって炎の軌道を変える。
「風を操るか……だが、大したことはないな」
男は呟く。風は直線的で、炎のような柔軟性がなさそうだ。
男はまた腕を突き出した。
炎の塊がふくらみ、エリゼオを包んだ。
が、エリゼオの魔剣の風は炎を切り裂いた。
「簡単にはやられねえってか。燃えるねえ」
男はにやりと笑った。
***
兵に連れられて、フェデリーカは家から離れた。が、炎の塊が発生するのを見て駆け出そうとした。
「待ちなさい!」
すぐに兵に腕を捕まえられる。泥だらけの彼女が王女だなどと、彼は気付いていない。
「伯爵!」
叫ぶ彼女の目の前で、家の壁ががらがらと崩れた。
中にいる人は。
土煙とくすぶる煙とで、中はよく見えない。
必死に目をこらすと、二人の男が対峙しているのが見えた。
炎で攻撃され、エリゼオは防戦一方だ。隙を窺ってはいるが、剣を交えても互角、魔法では不利。
土を、と手を伸ばすが、もう魔力は尽きている。
衛兵たちは魔法を使った戦いに手出しができず、遠巻きに剣を構えて見ている。
ガッ! と音がして、エリゼオの剣が跳ね飛ばされた。からからと音を立ててフェデリーカの前に転がる。
衛兵がエリゼオに別の剣を投げた。
エリゼオは受け取り、構える。
が、それは普通の剣だ。魔法の力はない。
フェデリーカは飛ばされた魔剣を拾おうとした。が、重くて持ち上がらない。
「魔剣は普通の人には持てないのだよ」
兵が言う。
知っている。前に持たせてもらおうとして、持てなかった。
だが、ただの剣では勝てないはずだ。
「お前には使えない」
「構やしねーよ。売るんだからな」
言って、男は切り込んでくる。
エリゼオは受け流し、返す刀で男を斬る。
が、半歩早く避けて男は腕を突き出す。
炎の柱が走り、エリゼオは剣を振るって炎の軌道を変える。
「風を操るか……だが、大したことはないな」
男は呟く。風は直線的で、炎のような柔軟性がなさそうだ。
男はまた腕を突き出した。
炎の塊がふくらみ、エリゼオを包んだ。
が、エリゼオの魔剣の風は炎を切り裂いた。
「簡単にはやられねえってか。燃えるねえ」
男はにやりと笑った。
***
兵に連れられて、フェデリーカは家から離れた。が、炎の塊が発生するのを見て駆け出そうとした。
「待ちなさい!」
すぐに兵に腕を捕まえられる。泥だらけの彼女が王女だなどと、彼は気付いていない。
「伯爵!」
叫ぶ彼女の目の前で、家の壁ががらがらと崩れた。
中にいる人は。
土煙とくすぶる煙とで、中はよく見えない。
必死に目をこらすと、二人の男が対峙しているのが見えた。
炎で攻撃され、エリゼオは防戦一方だ。隙を窺ってはいるが、剣を交えても互角、魔法では不利。
土を、と手を伸ばすが、もう魔力は尽きている。
衛兵たちは魔法を使った戦いに手出しができず、遠巻きに剣を構えて見ている。
ガッ! と音がして、エリゼオの剣が跳ね飛ばされた。からからと音を立ててフェデリーカの前に転がる。
衛兵がエリゼオに別の剣を投げた。
エリゼオは受け取り、構える。
が、それは普通の剣だ。魔法の力はない。
フェデリーカは飛ばされた魔剣を拾おうとした。が、重くて持ち上がらない。
「魔剣は普通の人には持てないのだよ」
兵が言う。
知っている。前に持たせてもらおうとして、持てなかった。
だが、ただの剣では勝てないはずだ。