左遷された王女は青銀の風に守られる ~地属性魔法で悪人退治を楽しんでいたら大変なことになりました~
「貴族は自分のためだけの結婚ができないのは知ってる。王族ならなおさら、国の治安や政治がかかわってくるのもわかってる。だけど、ものみたいに「授ける」なんて!」
「言葉などどうでもいいだろう」
「良くないわ!」
 フェデリーカの目に涙が浮かぶ。

 そうして、悟った。
 結局のところ、自分は娘として扱ってほしかったのだ。
 物を従者にさずける王ではなく、娘を嫁に出す父であってほしかったのだ。

「私……本当にお父様の娘なの?」
 ぽろぽろと涙をこぼすフェデリーカを、カロージェロは無表情で見下ろす。

「フェデリーカ、父上はお前をおもってこの結婚を決めたのだよ」
 ジルベルトの言葉に、彼女は強く首を振る。

「嘘よ」
「我が裁定に不服があると申すか」
「そうよ!」
 フェデリーカは父をにらみ、カロージェロは黙って彼女を見下ろす。

「はばかりながら申し上げます」
 エリゼオが口をはさむ。

「先般、フェデリーカ殿下が我が領地においでになったのは陛下のご不興をかった故だと聞き及びました。しかし騒ぎの現況はコルネリオ殿下でいらっしゃるとか」
 カロージェロはなにも答えない。エリゼオは続ける。

「誤解が解けたと言うことでございましたら、陛下といえども謝罪をなさるのが筋と愚考いたします。親子とはいえど人と人。誤りが発生したおりには謝罪のひとつもなければ、溝は深まるばかりでございましょう」
「そなたになにがわかる!」
 怒りを含んだ声でカロージェロが怒鳴る。
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