私と先輩の甘い放課後

 手を振ろうとしたところで、目の前に女子生徒がいたので、慌てて首を引っ込めた。見つからないようにこっそりと覗き見る。


 当然二人の会話が聞こえてくることはないが、先輩の表情から察するに何か相談されているのかもしれない。先輩、難しそうな、困ったような顔してる。


 人望も信頼も厚い先輩のことだ、きっと色んな相談を受けているに違いない。


 先輩は今日もかっこいい…!


 そんな呑気なことを思っていると、女子生徒がいきなり先輩に抱き着いた。


「!?」


 先輩は尚も何か言っているが、女子生徒は先輩から離れようとしない。


 え?え?どういう状況!?


 私は静かに生徒会室の窓を閉めると、力なく先輩の席へと腰を下ろした。


 もしかして、先輩、告白されていたのでは?


 そんなことに思い至る。女子生徒は綺麗そうな人だった。遠くて顔はよく見えなかったけれど、長く伸びた黒髪がつやつやとしていて、手足はすらっとしていた。


 そうだ、私はたまたまラッキーで先輩と付き合えているけれど、先輩を好きな女の子は山ほどいるのだ。告白なんてきっと日常茶飯事だ。


 でもどうして夏樹先輩は、私を選んでくれたんだろう?


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