私と先輩の甘い放課後

 告白は、夏樹先輩の方からだった。


 私はずっと先輩のことが大好きで憧れていたけれど、当然告白なんてできなくて、いつもいつも先輩を見ているだけだった。


 そんなある日のことだった。


「春原さん、俺と付き合わない?」

「え?」


 私は作業中のノートから顔を上げて、夏樹先輩の方を見た。


「俺、春原さんのこと好きなんだけど」


 その時の先輩は、いつもの凛としている生徒会長ではなく、穏やかな先輩の姿でもなかった。なんだか落ち着かなそうに視線を泳がせていて、普通の男子生徒に見えた。


 先輩のことが大好きだった私は、二つ返事でOKしたことをよく覚えている。


「はい!喜んで!」


「返事、はやっ」と先輩が嬉しそうに笑った顔があまりに素敵だったことは、きっと一生忘れないだろう。


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