私と先輩の甘い放課後

 私はうまく言い返せないまま、顔を真っ赤にして俯くしかなかった。


「そうか、その反応でよく分かった」


 蒼は少し怒ったように呟くと、私をひょいっと持ち上げた。


「ちょっ!な、何するのっ!?」


 私は脚をばたばたと動かすも、蒼はお構いなしに歩みを進める。談話スペースのソファまで来て、ようやく私を下ろしてくれた。肩をとんっと押されて、私はソファに倒れ込む。


「昨日も会長としたんだろ?だったら俺にもさせてよ」

「え?」


 押し倒された私に、蒼が覆い被さろうとしてくる。


 怖い…!


 咄嗟にそう思ってしまった。


 夏樹先輩とは全然違う。幼なじみで、友達なのに、蒼には怖いという感情が湧いてしまう。


 怖いよ、先輩…っ!


 心の中で夏樹先輩を呼んだ時、ガチャっと音がして、生徒会室に誰かが入ってきた。


 その誰かはものすごい勢いでこちらにやってくると、蒼を私から引っぺがした。


「心陽に触るな」


 その凛とした通る声は、夏樹先輩だった。


 先輩はすぐに私を抱き寄せると、「心陽、大丈夫?」と優しく抱きしめてくれた。


 「だ、大丈夫です…」と呟いた声は、自分でも驚くほどに少し震えていた。


「鍵なんか閉めて、心陽に何するつもりだった?」


 先輩からは聞いたこともないくらい低く、冷たい声だった。


 蒼はいつもの気怠そうな態度に戻っていた。私のよく知っている蒼の姿だ。

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