私と先輩の甘い放課後

 蒼は面倒くさそうに、先輩へと言葉を投げる。


「あんた本気か?」

「本気だよ。心陽は俺の大事な人だ」

「あんたじゃ心陽を幸せにできない。今日だって心陽は悲しんでた」


 蒼の言葉に、私を抱きしめる先輩の腕に力がこもった。


「先輩じゃ心陽を守るのは無理だ。大事だと言っていながら、悲しませるようなやつじゃ心陽は幸せになれない」


 蒼はそう言い捨てて、ささっと生徒会室から出て行ってしまった。


 張りつめていた気持ちがふっと和らいで、それと同時に脚の力も抜けてしまった。


「心陽!」


 夏樹先輩が力強く支えてくれる。


「す、すみません。なんだか力が抜けちゃって…」

「ひとまず座ろう」


 そう言ってソファに座らせてくれようとした先輩だったが、「今はここは嫌だよね」と生徒会長席を貸してくれた。私は背もたれに体重を預け、ふーっと一息つく。


「紅茶淹れるよ、少し落ち着こう」


 先輩は紅茶を私の前に置いてくれた。


「ありがとうございます」


 そうして少し落ち着いて、少しずつ普通に話せるようになってきた。


「先輩、ありがとうございました。あの、迷惑かけてごめんなさい」

「迷惑だなんて思ってないよ。それに心陽は悪くない」

「はい…」

「彼は心陽の知り合い?」

「はい。幼なじみです」

「そうか…」

「でもどうして蒼が急にあんなことをしたのか、全く分からなくて…。昔から何考えてるか分からないような子でしたけど…」


 夏樹先輩はまた私を優しく抱きしめた。

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