私と先輩の甘い放課後

「生徒会なんて楽しいのか?」

「え?」


 それはもうものすごく楽しい。大好きな先輩と一緒にいられるし、少しだけくっついたりもできる。


 なんてことは蒼には言えない。


 私と先輩の関係は秘密なのだ。もし私が夏樹先輩と付き合っているなどと周りに知られたら、翌日私の座席はないかもしれない…。それくらい熱狂的な先輩ファンは全学年多いのだ。私の平穏な学生生活のため、今はこっそりと付き合っている。いつか公言できるくらい、自信のある女の子になれたらいいのだけれど。


「えっと、もちろん楽しいよ?仕事はどれもやりがいがあるし、先輩方もすごく優しいし…」

「ふーん…」


 蒼は相変わらず何を考えているのか分からない瞳で私を見つめる。


 なんだかんだ幼なじみとはいえ、彼が何を考えているのか分かったことは一度もない。マイペースで自由人。良く言えばクールだけれど、ただ単に不愛想な人だと思う。


 けれど、その瞳が私を見透かしているような気もして、何だかどぎまぎした。


 放課後の生徒会室で先輩とキスをしていただなんて、少し破廉恥だったかもしれない…。


「みんな仲良いんだ?」

「う、うん!すごく!」


  私はそう笑顔で返したつもりだけれど、引き攣っていないか心配だ。


「ふーん、あっそ」と蒼との会話はそれきりだったけれど、ほんと彼は何を考えているのだろうか…。


< 6 / 20 >

この作品をシェア

pagetop