私と先輩の甘い放課後
次の日はやっぱりいつも通り一人で、夏樹先輩が生徒会室に来るのを待っていた。
するとまた吹奏楽部が合奏を始めるタイミングになって、先輩がふらりと現れた。
「あ、先輩、お疲れ様で…」
そう言いながら駆け寄ると、夏樹先輩は私を力強く抱きしめた。
「え、せ、先輩…?」
先輩は私をぎゅーっと抱きしめながら、「少しチャージさせて」と呟いた。
しばらく抱きしめられたままでいたのだけれど、なんだか夏樹先輩がやたらと疲れているように見えて、私はなんとか腕を動かして先輩の頭を撫でてみた。すると先輩がぱっと顔を上げる。
「あ、すみません。失礼でしたか…?」
年上の男性の頭を撫でるなんて、良くなかったかな…と心配になっていると先輩は先程よりも強く私を抱きしめた。
「ありがとう、嬉しい」
「せ、先輩…苦しいですっ…」
私がギブギブっと背中を叩くと、ごめん、と言って先輩は名残惜しそうに私から離れた。
「夏樹先輩、なにかあったんですか?」
「んー、ちょっと進路のことでね。考えることが多くて疲れちゃった」
「進路…」
夏樹先輩はもう三年生だ。志望大学の願書提出や受験勉強で忙しくなってきたのかもしれない。そういえばこの前、先輩が進路相談室に入って行くのを見た。生徒会室に来る前に進路の相談をしていたのかもしれない。