名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
「うわあ……!」
用意された十八階のオーシャンビュースイートに到着すると、雛未は思わずその光景に見惚れた。
空と海が一望大きな窓からは、静かに揺蕩う海と海上を行き交うゴージャスなクルーズ船が見えた。空の向こうには飛行機の機影が星のように瞬いている。
日が暮れていき、黒一色となったキャンバスに色とりどりの花火が打ちあがったら、さぞかし綺麗だろう。
ベリが丘のみならず、日本中の著名人から愛されるオーシャンビューを譲ってくれた聖には、感謝しなければならない。
「ふふっ!えい!」
雛未は帯が崩れるのも気にせず、ベッドに仰向けで寝転がった。
ひとりで寝るにはもったいないほど大きいクイーンサイズのベッドも今夜は独り占めだ。
「そーだ!ルームサービスも頼んじゃおうっと!」
どうせ祐飛がこないなら、体面を気にすることはない。
備えつけの電話でボトルワインとチーズの盛り合わせを頼むと、すぐに部屋まで運ばれてきた。
マナーを気にせずに、なみなみとワインをグラスに注ぎ入れ、ご相伴にあずかる。
「んー!美味しい!さっすが五つ星ホテル!ルームサービスのワインも良いお品を揃えてるなあ!」
ひとりで酒盛りすることには抵抗はない。これでもお酒には強い方だ。
ベリが丘に来る前は晩酌もよくしていたが、祐飛には酒を飲む習慣がなかったので、なんとなく遠慮していた。
いつ呼び出されてもいいように酒を控えるなんて医者の鑑もいいところだ。