名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
「貴方は私の父親なんでしょうか?」
不躾ともいえる質問だったが、國治は鼻で笑ったりしなかった。
國治はひと呼吸おくと、雛未を真っ直ぐ見据え質問に答えた。
「残念だが、私は君の父親ではない。君の母親の名前にも、手紙にも心当たりがない。この手紙は私の名前を騙る第三者が書いたものだろう。悪質な悪戯だ」
頭を鈍器で殴られたような衝撃が身体を走る。実際に鈍器で殴られた方がまだマシだったかもしれない。
雛未の唇はワナワナと震え出した。
「……うそっ!」
手紙の内容を否定され、雛未は取り乱した。
手紙の差出人は確かに若狭國治と記されている。ベリが丘に他にも同姓同名の人物がいるとは考えにくい。
「この手紙が投函されたのは、私が議員一年目の頃だな。毎日、先生方にお供して勉強会に参加していた時期だ。とても女性にうつつを抜かしている暇などなかったよ」
相手は弁の立つ政治家だ。その気になれば、雛未など、簡単にやり込められてしまう。
すべて虚実だと言われ、雛未は怯んでしまった。
祐飛がたまらず口を挟む。