名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】

「國治おじさん、本当に貴方ではないんですか?」
「ああ。私ではない」

 怒るのでもなく、焦るでもなく、淡々と身の潔白を主張する國治には、真実を隠しているが故の違和感が感じられなかった。
 雛未には彼が嘘を言っているようには見えなかった。それは、祐飛も同じだった。
 若狭國治は雛未の父親ではないのだ。
 
(じゃあ、私は今まで何のために……)

 この数か月はなんだったのか?
 祐飛と結婚した意味とは?
 父親探しは振り出しに戻ってしまった。
 これには、いつも冷静な祐飛も顔色を失っている。
 病室の中に沈黙が流れたその時、祐飛の白衣の右胸ポケットに入っていたモバイルフォンが鳴った。

「……わかった。すぐ戻る」

 祐飛はモバイルフォンからの呼び出しに、すぐさま応じた。
 
「話が済んだら出て行ってくれ」

 國治はこの件についてはこれ以上話す気はないと、明確に拒絶した。

「雛未、行くぞ」

 祐飛はその場に立ち尽くしていた雛未の腕を引き、病室から出て行った。
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