名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】

 雛未はサウスパークに併設されているカフェへ連れて行かれた。
 朝食には英国風のモーニングプレートを食べた。朝食を食べ終わると、腹ごなしもかねて芝生広場へ散歩に出かける。
 早朝にもかかわらず、サウスパークにはそれなりに人がいた。
 犬の散歩をしている人や、海辺の遊歩道ではランニングで汗を流す人もいた。
 海風が吹く眩しい日差しの中で、祐飛はどうしてか足元ばかり見ている。

「見つからないな」
「何を探しているんですか?」
「四つ葉のクローバー」
「白詰草の季節は春ですよ」
「そうか。残念だ」

 なぜ、急に四つ葉のクローバーを探し始めたのか。

(……意味がわからない)

 朝食は美味しかったし散歩も気持ちいいけれど、肝心の質問にはまだ答えてもらっていない。

(煙に巻こうとしている?)
 
 あんまりじゃないかと、祐飛への不満が顔に滲み出ていたようだ。

「その顔……。本当に何も覚えていないんだな」

 祐飛は雛未を宥めるようにポンポンと軽く頭を叩いた。
 一体、何の話だろうと訝しむ。
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