名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
「昔、俺とベリが丘病院で会ったこと、本当に覚えていないのか?」
「病院で会った?」
心当たりがまったくなくて、雛未は首を傾げた。
「まだガキだったし仕方ないな」
祐飛はやれやれと大きなため息をついた。
「雛未は病院の敷地の中で迷子になっていた。病気のおばさんに渡したいからって、四つ葉のクローバー探しを一緒に手伝わされた。花言葉もその時に教えられた」
「あ!」
ベリが丘に旅行へきた時、母から聞かされた話の続きを思い出す。
『小学生くらいの男の子が迷子になっていた雛未を助けてくれたのよ。とっても礼儀正しくて、育ちの良いおぼっちゃまって感じの凛々しい顔立ちの子だったわー』
正体不明の男の子の影が祐飛と重なっていく。
「祐飛さんだったんだ……」
「やっぱり忘れていたのか」
「すみません……」
雛未は平謝りするしかなかった。
帰宅してから熱を出したというし、ベリが丘にきたことも忘れていたくらいだ。
助けてもらった祐飛のことを覚えてなかったのも無理はない。