名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】

「ひとの初恋を奪っておいて、忘れたとは酷い話だな」
「は、初恋!?」
「ああ、そうだ。最初は気づかなかったが、四つ葉のクローバーの押し花と名前を聞いてピンときた」

 祐飛は雛未をからかうように、得意げに口の端をあげた。
 信じられないことばかりだ。
 祐飛が雛未を助けてくれた男の子で、しかも初恋の相手が雛未で……。
 もしかして、それが雛未と結婚してくれた理由なのか?

「で、でも!いくら初恋だからって、大昔に一度会っただけの人に、何の疑いもなくプロポーズまでします?」

 にわかには信じがたくて、雛未は更に祐飛に尋ねた。

「あの時、自分がどんな顔をしていたのか、わからないのか?」

 祐飛は雛未の頬をそっと撫でた。

「昔と同じだった。助けてと言えばいいのに、我慢してしょげていた。ひとりで放っておけなかった」
「だ、だからって結婚までしなくても……」
「結果的には間違ってなかっただろう?」

 祐飛は悪戯が成功した子どものように上機嫌になった。
 確かに結果だけ見れば、二人は両想いになり、愛で結ばれたわけだが。
 雛未がとんでもない悪女だったら、どうしていたんだろう。
 いつも冷静な祐飛でも、博打に出ることがあるのか。
 それとも、雛未が祐飛を好きになることは計算されていた?
 力ずくで恋に落とす自信があったということか。

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