名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
(いつの間に……?)
祐飛が言っていた証拠とは、このDNA鑑定書のことだったのだ。
祐飛なら雛未と國治の両名から検体を採取する機会はいくらでもある。
手紙の真贋を見極めるよりもずっと簡単だし、親子関係を証明する物的証拠にもなりうる。
しかし、國治はDNA鑑定書を一瞥もしなかった。
「先日も言ったが、私は彼女の父親ではない」
「おじさんが嘘をついていないと仮定するならば、考えられる可能性はひとつしかありません」
祐飛が目配せすると、聖が更に一枚の紙をテーブルに置いた。
「お義父さんに内緒で調べさせてもらいました。貴方は『一卵性双生児』なんですね。弟さんは六歳の時に若狭家の遠縁の養子になっている」
聖がテーブルに置いたのは調査会社がまとめた報告書だった。
「一卵性双生児?」
またまた雛未の知らない事実が明らかにされていく。
「そうだ。一卵性双生児は遺伝学的には同じ存在。単純な検査では双子の兄と弟の遺伝子を判別することは極めて難しい」
祐飛はトントンとテーブルに置いた鑑定書を指差した。
つまり、雛未の父親は若狭國治またはその弟のどちらかということになる。