名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
「ベリが丘病院の脳神経外科の外来には、日本各地からより良い治療を受けたいと、大勢の患者がやって来る。ただ、なかには真っ当な患者に混じって、冷やかし目的の連中もいる」
「冷やかし?」
「ああ。診察ではなく、俺個人を目的にしてやってくる」
祐飛の苦々しい表情が、それが誇張でもなく事実を有り体に伝えていることを示していた。
雛未は祐飛のスペックを鑑みて、すぐに納得した。
脳神経外科の医師でありながら、モデルのようなスタイルと整った面差しを兼ね備え、更には独身だという。
過激なファンや追っかけの一人や二人いてもおかしくない。
「そういう連中のせいで、他の患者の治療が遅れ、余計な労力が割かれる。結婚さえしてしまえば、非常識な連中を遠ざけることができる」
心底辟易しているという祐飛の話を聞いて、雛未は少し安心した。
一方的に雛未だけが結婚の恩恵を甘受するだけの歪な関係にはなりたくない。
「先生のご提案、お受けしたいと思います」
真実を知るためなら、結婚だろうとなんだってやってやる。
奮起している雛未を見て、祐飛はふっと表情を緩めた。
「先生じゃない。不破祐飛だ。俺のことは祐飛と呼べ」