名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
二人は近くのカフェに場所を移すと、今後の大まかなスケジュールを確認し、段取りを組んだ。
雛未は一度地元に戻り準備を整えたら、一週間後に再びベリが丘にやってくることになった。
雛未は母と最後の時を過ごすために、当時勤めていた会社を辞め、母の友人が経営するカフェでアルバイトをしていた。
定職についていなかったおかげで、コトは思いの外スムーズに運びそうだった。
話し合いが終わった頃には、すっかり夜も更けていた。
祐飛は雛未を滞在先のホテルまで、タクシーで送ってくれた。
「また、一週間後に」
「はい」
「雛未」
祐飛から初めて名前を呼ばれ、タクシーから降りようとしていた雛未の心臓がドキンと跳ね上がる。
「逃げるなよ」
最後にもう一度念を押すように言われると、タクシーの扉がパタン閉まっていった。
逃げるつもりは毛頭なかったが、もし仮に逃げ出したら一体、祐飛はどうするつもりなのだろう。
追いかけてくるのか?それとも代役を探すのか?
端正な横顔からは、読み取れなかった。