名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】

(先生はどこにいるんだろう?)

 祐飛には前もって、何時の飛行機に乗るか連絡しておいた。
 駅まで迎えに来てくれると聞いていたが、今のところどこにも彼の姿が見当たらない。
 その時、ロータリーに停車していたと車のクラクションが鳴った。
 メーカーはよくわからないけれど、ピカピカ光るエンブレムのついた高そうな車だ。
 スーツケースを引きずりながら近づいていくと、助手席の窓ガラスがゆっくりと下ろされていった。
 
「先生……ですか?」

 運転席にはサングラスをした男性が座っていた。
 サングラスをしていると、まるで誰だか分からない。
 
「祐飛でいいと言ったはずだが?」
「あ、はい……。すみません……」

 間違いなくご本人のようで、雛未はホッと胸を撫で下ろした。
 それにしても、再会そうそう叱られるなんて、これでは先が思いやられる。
 祐飛は運転席から降りると、雛未のスーツケースを後部座席に載せてくれた。
 後部座席が埋まってしまったので、雛未は満を持して助手席にお邪魔した。

「戸籍謄本は持ってきたか?」
「はい」
「じゃあ、このまま役所に行く」
「祐飛さんのご両親にご挨拶とかって……?」
「しなくていい」
「そうですか……」

 気を利かせたつもりだったが、粗雑にあしらわれた。
 車は駅前ロータリーを出発し、役所を目指していく。

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